核燃料露出溶解 工程表達成に「黄信号」

12日、東京電力福島第1原発1号機で、原子炉圧力容器内の核燃料棒が完全に露出したことが判明し、圧力容器損傷の可能性も浮上した。原子炉を安定冷却するため、圧力容器を覆う格納容器ごと水で満たす作業が進められているが、見直しは避けられない。専門家からは「圧力容器に穴が開いているなら、もう打つ手がない」と危惧する声も上がり、事故の収束に向けた工程表の達成に「黄信号」がともった。(原子力取材班)ビジネスバック

炉心溶融?

 「溶けた燃料が下に落ち、圧力容器の下部を損傷させている可能性もある」。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は12日の会見で、初めて「炉心溶融」の可能性に言及した。

 東電はこれまで、1号機の核燃料について、約55%が損傷していると推定。一貫して「燃料が溶けて下に落ちていることはない」とし、本来の形状を維持していると説明してきた。 フェンディ

 ところが、今回調整した水位計で圧力容器内の水位を測定した結果、燃料の大半が露出している状態だったことが判明。ハンドバッグ

 これまでは、燃料の露出は一部とされてきただけに、京大原子炉実験所の小出裕章助教(原子核工学)は「東電が発表したデータはもう信頼性がない」と手厳しい。