パパイア価格:3倍に 昨秋の台風で出荷減

2010年10月の台風による被害で、県産パパイアの出荷量が落ち込み、沖縄協同青果によると、価格が過去に例のない高値で推移している。1〜4月の県中央卸売市場の取り扱い実績は前年同期比40・9%減の44・5トンで、平均キロ単価は3・3倍の742円。5月は24日現在で前年の13・0トンに対し7・6トン、平均キロ単価は2・8倍の1224円まで高騰している。日本チップ

 沖縄協同青果によると、10年12月ごろから出荷量が減少し、同時に価格が上昇。平均キロ単価は10年12月が290円(前年同月比2・7倍)、11年1月は598円(同3・5倍)、2月は677円(同4・0倍)、3月は696円(同3・3倍)、4月は998円(同2・8倍)と推移している。 エルメス

 4月は遺伝子組み換えパパイアの種子が発見された問題が影響したとみられ、一時価格が下がったが、数日で持ち直し、高値が続いている状況だ。アジアチップ

 県の担当者は「需要に対し量が少ないため高騰している」と分析。遺伝子組み換え問題で一部のパパイアが伐採されることも踏まえ、出荷量はしばらく低水準で続くとみている。一方で、今期の価格は「高すぎる」と指摘し、反動による来期の供給過多、価格下落を懸念した。

 JAおきなわ青果部の安谷屋行正次長は07年ごろに北部を中心にパパイアが増産された結果、価格安が続き生産量が減ってきた経緯に触れ「あまり高くなるのは良くない。需要と供給のバランスが崩れてはパパイアの生産が広がらない。安定した価格で推移するよう安定した生産力を構築することが必要だ」と話した