「来てくれて、ありがとう」シド、震災後初の東京公演を敢行

 メジャー2枚目となる最新アルバム「dead stock」を引っさげて全国ツアー『dead stock TOUR 2011』を敢行中の4人組バンド・シドが4月16日(土)・17日(日)、今ツアーの東京公演となる代々木第一体育館2デイズライブを行った。ルイヴィトンコピー財布&小物
 昨年の東京ドームで「今度は僕らがみんなに会いに行きます」というメッセージと共に発表された今回のツアー。しかしその真っ最中に起こった東日本大震災で、スケジュールにも大きな影響(横浜アリーナ公演は中止、札幌ニトリ文化ホール公演は6月に延期)が出てしまい、今回の代々木も会場の電力不足や安全面の問題などにも細心の注意を払い行われたライブとなった。
 ところがいざメンバーが登場し1曲目の「NO LDK」からライブが始まると、そんな懸念も不安も吹き飛ばすような、いつも以上のファンの歓声が湧き上がり、メンバーとファンが鳴らすハンドクラップとステージから放たれるレーザービームが交わると、まるで異空間のような雰囲気に。その後もザクザクとしたギターが小気味いい「シェルター」、初期の代表曲とも言える「妄想日記」と、様々なシドのサウンドを始めからエンジン全開で見せていく。
 「会いたかったぜ東京!こんにちは、シドです。今日はdead stock(ツアー)代々木公演1日目です。楽しみにしてた人!シドも楽しみにしてました。今日はみんな楽しんで帰ろうか?前も後ろも横の人もみんな楽しめるライブにするのでよろしく!」というボーカル・マオの開始宣言からは、ファンクなナンバー「cosmetic」、背徳と悲恋の女性を描く「ワイフ」などが披露される。特にこの日のマオはステージ上を動きまわり、笑顔で花道横の観客に向かって歌ったり手を振ったりとサービス精神満載。またそうかと思えば 特に中盤のスローナンバー「sleep」では渾身のアクションで、終わったあとしばらくステージ上にうずくまり、息も絶え絶えになる動けなくなるほどの尋常ではない気合も見て取れた。
 ライブの後半では、上手下手で分かれたファンの「声出し大会」や、CD特典の映像のコスプレをしている子供を見て驚いた南海キャンディーズの山ちゃんがそのことをTwitterに書き込んでいたという驚きの話、加えて(スタッフには止められていると言われた)いつもの下ネタMCなどでも盛り上がりながらも、ファンが拳を突き上げるアップチューン「乱舞のメロディ」や、ダンサブルでセクシーな「歌姫」、そして最後は力強い決意のナンバー「one way」で本編を終了した。新作
 アンコールでは自身が「いつ以来だろう?」というほどのレアナンバー「林檎飴」を披露し会場を喜びの悲鳴に包み、「エール」「Sympathy」とド派手に盛り上がり、メンバーもファンも高揚感に包まれる。しかしその後、最後のMCで、このツアーでは決して看過できない、そしてこの日のマオの気合の一因ともなったのかもしれない思いを語りだした。ユタ
「気持ちいいな。この暑さがいいね。今回のツアーは世の中的に悲しいニュースがあって、やれるのかやれないのかという状況もありましたが、今日も明日もやれて…昔から思わなきゃいけないんですが、強く、強く思ってます。来てくれて、ありがとう。ここに来てくれて、どうもありがとう」
 ゆっくりと、力強く感謝の言葉を述べるマオに会場中から拍手が沸き起こる、そして最後のナンバーである「ハナビラ」で春の終わり、そしてライブの終わりを告げたのだった。
 あまりにも悲しい今回の天災ではあったが、この出来事がメンバー、ファンにとってこの日限りしか味わえない、一点モノ(=dead stock)のライブの大切さ、素晴らしさを改めて堪能できた。そんなライブとなったのではないだろうか。

■セットリスト
1.NO LDK 2.シェルター 3.妄想日記 4.cosmetic 5.ワイフ 6.モノクロのキス 7.レイン 8.いいひと 9.嘘 10.2月 11.sleep 12.乱舞のメロディ 13.歌姫 14.dog run 15.Dear Tokyo 16.one way E1.すぐ傍で E2.林檎飴 E3.エール E4.Sympathy E5.ハナビラ
ミニラン
■シド
2003年結成。メンバーはマオ(Vo)、Shinji(Gt)、明希(Ba)、ゆうや(Dr)。2008年10月「モノクロのキス」でキューンレコードからメジャーデビュー。日本武道館、代々木第一体育館、さいたまスーパーアリーナなどの大会場でのライブを次々に成功させ、2010年12月には自身初となる東京ドーム公演を行う。今年10月にはファンクラブ限定ライブを日本武道館で開催する予定。